トラックで事故を起こしたらどうなる?|経営者が答える給料・弁償・処分のリアル

業界20年/運行管理者/運送会社 経営者(ドライバー20名を雇用) 運営者について
事故を起こしたらどうなるのか 給料・弁償・処分のリアル。人物・場所・車両はイメージです。
※画像はAI生成イメージです。
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※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。事故時の対応は会社により大きく異なります。

地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。

ドライバーを目指す方や、今働いている方にとって、事故を起こしたときの費用負担や会社の対応は気になるところだと思います。

そして不安の中身は、だいたいこの3つだと思います。

この記事では、うちの会社が実際にどうしているかを、包み隠さず書きます。

まず、うちの実際の扱いを全部書きます

現場から

うちの場合:手当が減るだけで、修理代は請求しません

うちでは「無事故手当」をつけています。額はだいたい3万円くらいで、人によって少し違います。事故がなければ、毎月もらえるお金です。

そして事故を起こしてしまった場合、こうなります。

  • 無事故手当から、毎月1万円ずつ引く
  • 引くのは最大3万円まで(それ以上は引きません)
  • トラックの修理代は、本人に請求しません

トラックの修理代が何十万円かかっても、本人に請求はしません。

ただし、お金以外にやってもらうことがあります。

  • 面談をして、状況を確認する
  • なぜ事故が起きたのか、報告書を書いてもらう

これは責めるためではありません。同じ事故を二度と起こさないためです。

うちでは、事故は1年に3〜4件です

現場から

多いのは、ミラーを街路樹や標識にぶつける事故です

ドライバー20名ほどで、ぶつけた・こすったという事故は、1年に3〜4件です。

いちばん多いのは、ミラーをぶつける事故です。道路沿いの街路樹や標識などに当ててしまいます。

事故が起きやすい時期も、だいたい決まっています。

  • いちばん多いのは、入ったばかりの人です。トラックの大きさに慣れるまでは、どうしても起きやすくなります
  • その次に多いのが、慣れてきたころです

なぜ、修理代を請求しないのか

「会社が損をするだけでは?」と思われるかもしれません。会社側の理屈を正直に書きます。

1. 気をつけていても事故は起こり得るから

どれだけ気をつけていても、事故は起きるときは起きます。長い時間、公道を走る仕事です。確率の問題として、いつかは何かが起きます。

それを本人の財布から払わせても、事故が減るわけではありません。

2. 請求すると、事故を隠すようになるから

これが一番大きい理由です。

弁償させる会社では、ドライバーは小さな事故を報告しなくなります。擦ったり、ぶつけたりしたことを黙っている。そして後で大きな問題になる。

会社にとって一番怖いのは、事故そのものより「隠されること」です。だから報告しやすい環境を作る方が、結果的に安全になります。

3. 保険に入っているから

運送会社は当然、任意保険にも入っています。そのための保険です。個人に負わせるためのものではありません。

でも、会社によって全然違います

うちは修理代を請求しませんが、すべての運送会社がそうだとは限りません。

実際に、こういう話は業界で耳にします。

だからこそ、入る前に必ず確認してください。

面接で必ず聞いてほしいこと

  • 「事故を起こした場合、修理代の請求はありますか?」
  • 「荷物を壊したときの弁償はどうなりますか?」
  • 「無事故手当はありますか? 事故の場合、どれくらい減りますか?」
  • 「減額に上限はありますか?」
  • 「任意保険には加入していますか?」

この質問をして、嫌な顔をする会社・曖昧に濁す会社は、避けた方がいいと私は思います。

まともな会社なら、はっきり答えられます。私も聞かれたら、この記事に書いたとおりに答えます。

ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら——
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クビになるのか

結論から言うと、1回の事故でクビになることは、まずありません。

理由は簡単で、今どこの運送会社も人手不足だからです。育てた人を1回のミスで手放す余裕は、正直ありません。

ただし、次のようなケースは別です。

特に「隠す」は、事故そのものより重く見られます。ここだけは覚えておいてください。

現場から

事故を隠していたことは、うちでも実際にありました

あとから事故が分かったことは、うちでも実際にあります。そのときは、報告することがどれだけ大事かを本人に伝えました。隠すと、話が大きくなるからです。

同じような事故を起こす人もいます。ただ、うちは比較的少ないほうだと思います。それでコースを変えたことも、特にありません。

結局は、一人ひとりに注意を払ってもらうしかありません。そこを徹底して指導しました。

事故を減らすために、会社は何をしているのか

会社選びの参考として、「まともな会社は何をしているか」も書いておきます。

現場から

2024年問題で、うちも実際に変わりました

いわゆる「2024年問題」で、拘束時間と残業時間の規制が強化されました。これは現場に大きな影響がありました。

うちがやったことは、こうです。

  • 社員としっかり話し合った(働き方が変わるので)
  • 荷主さんとも話し合った(時間指定や待機の見直し)
  • 36協定をきちんと結んでいる
  • タコグラフで運行を記録・管理している(うちはアナログ式です。デジタコを入れている会社もあります)

特に大事なのは、荷主さんと話し合ったことだと思っています。

拘束時間が長くなる原因の多くは、荷主先での待機です。ここは運送会社だけでは解決できません。荷主に「これ以上は待てません」と言えるかどうかで、ドライバーの働き方は変わります。

だから会社選びでは、「2024年問題にどう対応しましたか?」と聞いてみてください。具体的に答えられる会社は、きちんとやっています。

あれから2年たって、運賃と給料が実際どうなったかは2024年問題から2年、運賃は上がりましたに書いています。

そのほか、まともな会社なら次のことをやっています。

点呼で必要な確認を省く会社には注意が必要です。詳しくはブラック運送会社の見分け方7つに書きました。

事故のときにドラレコの映像がどう役に立つかは、ドラレコやタコグラフで、会社はどこまで見ているかに書いています。

事故を起こしてしまったら、まずやること

万が一のときのために、順番だけ書いておきます。

  1. けが人の救護と、安全の確保(これが最優先)
  2. 警察へ連絡(どんな小さな事故でも必須です)
  3. 会社へ連絡(隠さない。これが一番大事)
  4. 相手の連絡先・状況の記録

会社への連絡を先延ばしにしないでください。早く言ってくれた方が、会社も動けます。怒られるのが怖くて黙っていると、事態は必ず悪くなります。

現場から

連絡を受けたら、会社はこう動きます

ドライバーから事故の連絡が来たら、うちではまず、けががないか、どんな事故だったのかを確かめます。すぐに現場へ向かうこともあります。

そのあと、荷主さんに連絡します。荷物が遅れるかどうか、商品は大丈夫かを報告します。相手がお客さんの場合は、謝罪にも行きます。

荷物に何かあったときも、まず荷主さんにすぐ連絡します。うちは、すぐに届けなければいけないコースが多いので、別の便をすぐに走らせます。それでも間に合わないときは、赤帽などに頼むこともあります。

落ち着いたら、面談をして報告書を書いてもらいます。中身は、事故の時系列、原因と、そうなった要因、そして今後の対策です。

私も、乗り始めたころにガードレールを擦りました

現場から

心に焦りがあるときに、事故は起きやすいと思っています

私自身も、事故を起こしたことがあります。トラックに乗り始めたころ、ガードレールに擦ってしまいました。

そのときは、とても動揺したのを覚えています。振り返ると、心の中で少し焦っていた部分がありました。

心が落ち着かないときに、事故は起きやすいのだと思います。それからは、慎重に運転するようにしています。

事故後の費用負担と、会社の対応を確認する

この記事の要点

  • うちの場合、事故を起こすと無事故手当が減る(最大3万円まで)
  • トラックの修理代の請求はしない。保険はそのためにある
  • うちの事故は1年に3〜4件。多いのは、ミラーを街路樹や標識にぶつける事故
  • いちばん多いのは入ったばかりの人、次が慣れてきたころ
  • ただし会社によって扱いは全然違う
  • 面接で「事故時の扱い」を必ず確認する
  • 1回の事故でクビはまずない。ただし「隠す」は別
  • 2024年問題への対応を聞くと、会社の姿勢が分かる

事故が怖いのは当然です。怖いと思っている人ほど、安全運転をします。それは悪いことではありません。

大事なのは、「事故を起こしたときに、守ってくれる会社を選ぶこと」です。

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求人票には、事故時の扱いまで書いてあることはまずありません。だからこそ、複数の会社を見て、面接で直接聞くしかありません。

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※本記事は筆者の経営者としての経験に基づく個人的見解です。事故時の対応・損害の負担は会社により大きく異なります。実際にトラブルが生じた場合や、損害賠償の請求を受けた場合は、労働基準監督署・弁護士等の専門機関に必ずご相談ください。本記事は法的助言を行うものではありません。